
2021年にキャリア採用で入社。関東から関西へ拠点を移しす。ECサイトの保守・改修を担当。成果が評価され、セクションリーダーに就任する。現在は地域の中核IT企業向けプロジェクトで開発を担うとともに、社内AI推進の中心メンバーとして、新たな価値創出に挑戦している。埼玉県出身、趣味はスノーボード。

教育系通信販売を手がける大手企業のグループ会社でエンジニアとしてキャリアをスタート。2020年に幹部候補として入社し、同年5月にALJ Okinawa(旧ALJ DXTech株式会社)を設立、代表に就任。現在はDXソリューション事業本部長としてDX推進を牽引するとともに、伊平屋島プロジェクトを通じて地方創生・地域活性化にも取り組んでいる。岡山県出身、趣味は筋トレ。
近年、ビジネスの現場で「生成AI」や「DX」の文字を見ない日はありません。多くの企業が「AIを活用して業務を効率化したい」「競合に遅れをとりたくない」と焦りを募らせています。しかし、市場に溢れるツールを導入したものの、現場に定着しなかったり、本当の経営課題の解決に至らなかったりするケースが後を絶ちません。
株式会社エーエルジェイでは、いち早く「AI戦略室」を立ち上げ、自社内での徹底的な検証と実践を重ねています。そこで得られたリアルな知見を基に、独自の「AIインテグレーション」を展開しています。
今回は、AI戦略室メンバーである、DXソリューション事業本部の福嶋さんと、鈴木さんに、お客様のビジネスを本質的に加速させるALJのAIソリューションと、その根底にある「技術と人間力」への強いこだわりについて、じっくりとお話を伺いました。
─AI活用に取り組み始めたきっかけを教えてください。
福嶋 最初は今みたいな期待感よりも、不安の方が大きかったですね。ChatGPTが出始めた頃って、企業の機密情報を入力して大丈夫なのかとか、ソースコードを入れて問題ないのかとか、そういう議論がすごく多かったじゃないですか。私自身も「これは便利そうだけど、そのまま業務で使うのは難しいな」と感じていました。そこで調べていたら、ローカル環境で動かせるLLMがあることを知ったんです。「だったら自分たちで試してみよう」というのがスタートでした。
─当時のAIは実際どうだったのでしょうか。
福嶋 正直、全然使い物にならなかったです(笑)。質問しても見当違いな答えが返ってきたり、コードを書かせても完成度が低かったり。今のChatGPTやClaudeと比べると、本当に別物ですね。ただ、エンジニアとしては可能性を感じていました。「ここまで進化したなら、あと数年で実用レベルになるだろう」という感覚はありましたね。
鈴木 当時は性能を出そうとすると巨大なサーバーや高価なGPUが必要でした。でも2023年頃から軽量なLLMが次々と登場し始めたんです。「これはいずれ社内サーバーでも十分運用できる時代が来るな」と感じていました。なので会社だけでなく、自宅でも検証環境を作っていました。
─自宅でもですか。
鈴木 そうですね(笑)。AIの世界は本当に変化が早いので、実際に触らないと分からないことが多いんです。新しいモデルが出たら試す。新しいツールが出たら試す。それをずっと繰り返していました。その中で、どの技術が実際の業務で使えるのかを見極める感覚も少しずつ身についていきました。検証を重ね、技術の限界や活用のポイントも理解できるようになりました。
─現在、お二人はAI戦略室でどのような役割を担っているのでしょうか。
福嶋 私はどちらかというとビジネス寄りです。AIをどうお客様の課題解決に結びつけるか。どうサービス化するか。どうALJの事業につなげていくか。そういった視点で活動しています。
鈴木 私は逆に技術寄りです。新しい技術やサービスを調べたり、オープンソースを検証したり、実際に構築してみたり。「こういうものがありますよ」「これは使えそうですよ」と提案する役割ですね。
福嶋 本当にいろんな情報を持ってきてくれるんですよ。しかも面白いことに、鈴木さんが見つけてきたものって半年後くらいに業界全体で話題になっていることが多いんです。
─AI活用を進める中で苦労したことはありますか。
福嶋 一番難しかったのは技術そのものではなく、社内への浸透ですね。AIという言葉を聞くと、「難しそう」「自分には関係ない」と感じる人もいます。逆に、「AIが全部やってくれるんですよね」と期待しすぎる人もいます。実際にはそのどちらでもありません。だからこそ、AIを正しく理解してもらうことが重要だと考えています。
─どのように社内へ広げていったのでしょうか。
福嶋 まずは身近な成功体験を作ることですね。例えば議事録の作成や文章の下書きなど、誰でも効果を実感しやすいところから始めました。いきなり大きな変革を目指すのではなく、「便利だな」と思ってもらうことが大切だと思っています。
鈴木 AIは使い方によって成果が大きく変わります。だから社内でも、「どう質問するか」「どう使い分けるか」というノウハウ共有を意識しています。同じAIを使っていても、聞き方ひとつで結果が変わるんです。
─実際にAIを活用するようになって、エンジニアの働き方に変化はありましたか
鈴木 ありますね。以前は調査に数時間かかっていた内容が、AIを使うことで短時間で整理できるようになりました。もちろん鵜呑みにはできませんが、調査のスタート地点としては非常に優秀です。結果として、本来時間を使うべき設計や検討に集中できるようになりました。
福嶋 私は学習スピードが変わったと感じています。分からないことがあったらすぐ質問できる。しかも何回聞いても嫌な顔をされない(笑)。若手エンジニアにとっては非常に良い学習環境になっていると思います。
鈴木 ただし、AIが答えた内容をそのまま信じるのではなく、「本当に正しいのか」を確認する工程は必要です。だからAIが普及するほど基礎知識や考える力が重要になると思っています。
福嶋 AIは人の仕事を奪うものとして語られることもありますが、私たちはそうは考えていません。むしろ人がより価値の高い仕事に集中するためのパートナーだと思っています。単純作業や情報収集をAIが支援してくれるからこそ、人は企画や提案、コミュニケーションといった人間にしかできない部分へ時間を使えるようになります。ALJとしても、AIを活用できる人材を増やしながら、一人ひとりの可能性を広げていきたいと考えています。
─ALJではセルフホストAIにも力を入れています。その理由は何でしょうか。
鈴木 一番大きいのはセキュリティですね。社外サービスの場合、入力した情報がどのように扱われているのか完全には見えません。その点、自社環境で動かすセルフホストAIなら、自分たちで管理できます。
福嶋 特に開発現場では大きなメリットがあります。ソースコードや設計書など、取り扱いに注意が必要な情報もありますからね。
─コスト面はいかがでしょうか。
鈴木 大量のデータを処理する用途では外部サービスより安くなるケースもあります。例えば営業メールの自動仕分けです。毎日大量のメールをAIで分類していますが、これを外部サービスでやるとかなりの利用料金になります。

─AIによってエンジニアの仕事は変わるのでしょうか。
福嶋 変わると思います。ただ、エンジニアが不要になるとは思っていません。これからは「コードを書く人」よりも、「課題を見つける人」の価値が高くなると思っています。
鈴木 AIはコードを書けます。設計書も作れます。でも、それが本当に正しいかを判断するのは人間です。AIが作ったものを検品する力。設計意図を理解する力。そこは今後も必要になります。
─若手エンジニアにはどんな学び方を勧めますか。
鈴木 AIを使わないのではなく、AIを使って学んでほしいですね。答えだけ聞いて終わりではなく、「なぜそうなるのか」まで理解する。AIは最高の先生にもなれると思っています。
─今後、エンジニアに最も必要な能力は何だと思いますか。
福嶋 私はコミュニケーション能力だと思っています。お客様自身も気づいていない課題を見つける。課題を言語化する。周囲を巻き込む。こうした能力はAIでは代替しにくいと思うんです。
鈴木 技術は学べます。でも信頼関係を築くことや、相手の気持ちを理解することは人間だからこそできる部分ですよね。
福嶋 AIが進化するほど、人間らしさの価値が高まるかもしれません。だからALJでは、技術力だけでなく人間力も大切にしたいと思っています。
鈴木 実際、システム開発の現場では技術だけで解決できない課題も多くあります。お客様の話を丁寧に聞き、背景や目的を理解したうえで最適な提案をする。その過程ではコミュニケーションや信頼関係が欠かせません。AIが優秀になるほど、そうした人と人との関わりの重要性はむしろ高まっていくのではないかと思います。
福嶋 技術の進化はこれからも続きます。しかし、その技術をどう活用し、どのような価値につなげるかを考えるのは人間です。私たちはAIを脅威ではなくパートナーとして捉えながら、お客様や社会に貢献できるエンジニアを育てていきたいですね。
─後編に続く (7/29日リリース予定)