2026.04.09 #AI #エンジニア
ALJ

AIインテグレーターへの転換。次世代の主役「FDE」へと進化せよ

記事画像

2022年にフリーランス契約を経て入社。インフラ領域に強みを持ち、DXソリューション事業本部にて若手のスキル底上げを推進。開発にとどまらず、インフラからAIまで幅広い分野への興味喚起と育成に取り組んでいる。神奈川県出身、趣味はアウトドア。

2021年にキャリア入社。ALJ初のテレワーク実践者として関西へ拠点を移し、ECサイトの保守・改修に従事。成果を評価されセクションリーダーを担当。現在は地域のIT中核企業の案件に参画しながら、社内のAI推進に携わり、福嶋・江口とともに新たな価値創出に挑戦している。埼玉県出身、趣味はスノーボード。

教育系通信販売を行う大手企業の子会社でエンジニアを経験し、2020年に幹部候補としてALJに入社。同年5月にALJ DXTech株式会社を設立し、DXソリューション事業本部長を兼任。現在は伊平屋島プロジェクトにて地方創生・地域活性化に取り組んでいる。岡山県出身、趣味は筋トレ。

AIの進化によるIT業界の地殻変動は、私たちの想像を超えるスピードで進んでいます。これまでの「当たり前」が通用しなくなる中、ALJは「AIインテグレーター」としての旗を掲げました。現場の最前線を走る3名に、私たちが直面している現実と、次に目指すべきステージについて聞きました。

加速するAI普及。「便利なツール」から「必須の基盤」へ

福嶋 AIの進化スピードについては、正直に言って、のんびり構えていられる状況ではないと感じています。危機感という言葉が適切かどうかは分かりませんが、少なくとも「今までの延長線上に未来はない」という確信はあります。
先日、沖縄の伊平屋村で小中学生向けにIT授業を行った際、小学生たちが当たり前のように「チャッピー(ChatGPT)」と呼びながらAIを使いこなし、日常の疑問を解決している姿を見て衝撃を受けました。彼らにとってAIは「便利な道具」ではなく、生まれた時からそこにある「環境」なんです。

鈴木 それはエンジニアの世界でも全く同じことが起きていますよね。プロンプト一つでコーディングから環境構築まで完結するフェーズに突入しています。これは単に作業が楽になったというレベルの話ではなく、開発の「ルール」そのものが書き換わったと捉えるべきです。

江口 私も同感です。私はこれまで社内のインフラ拡充や若手育成に携わってきましたが、インフラの知識をゼロから育てるのには時間がかかります。しかし今、AIを味方につければその学習曲線は劇的に短縮できると感じています。ALJには高性能なゲーミングPCなどの環境があり、実際にAIを試し、実験できる場を整えています。ただ、環境があるだけでは意味がありません。この環境をどう使い倒し、自分たちの業務をどう変えていくか。その一歩を今踏み出すかどうかが、数年後のエンジニアとしての在り方を大きく左右するはずです。

システムインテグレーターからAIインテグレーターへ

福嶋 劇的に変わっていますね。以前は「システムを導入して業務を効率化したい」という要望でしたが、今は「AIを使ってOCRを高度化したい」「社内にセキュアなAIチャットを導入して、ナレッジ共有を自動化したい」といった、AI活用を前提とした具体的な相談が目に見えて増えました。 実際、民間企業だけでなく、沖縄の官公庁においてもGeminiを導入する話も出ていて自治体のような公共性の高い組織ですらAIの導入を急いでいる。この事実は、世の中の「本気度」を象徴していると思います。 汎用的なSaaSだけでは解決できない、その自治体や企業特有のデータ、あるいは独自のワークフローに特化したAIをどう構築し、どう運用に乗せるか。そこに私たちの新しい主戦場があります。
また、この流れは既存サービスにも確実に影響していくと考えています。例えば、Landleについても、これまでの人材統合管理という役割に加えて、AIを組み込むことで、より付加価値の高いサービスへと進化させていきたいと考えています。
現時点では構想段階ではありますが、需給予測と連動した人員配置の最適化や、蓄積されたデータを活用した意思決定支援など、AIを前提とした機能の可能性は大きいと感じています。こうした既存プロダクトの進化も含めて、私たちのAIシフトは進んでいくはずです。

江口 お客様自身も「AIで何ができるか」を模索している段階だからこそ、プロである私たちの提案力が試されますよね。待ちの姿勢で「何かお困りですか?」と聞くのではなく、こちらから「AIを活用すれば、この工程の工数を3割削減できますよ」と先回りして提案する。その「気づき」を提供するプロセスにこそ、AI時代のSIerの面白みがあると思っています。

鈴木 実際、私自身も今、旅行AIマッチングシステム開発の話があるのですが、見積もりの段階でお客様に新しい提案を仕掛けようとしています。「現状の見積もりでは工数が膨らんでいますが、AIを開発プロセスに組み込むことで、この期間とコストで実現可能です」という話です。最新技術をただ知っているだけでなく、それを「お客様の利益」に直結させる。これができるかどうかが、選ばれるエンジニアの条件になるでしょう。

福嶋 まさにそれが、私たちが目指すべき「AIインテグレーター」の姿です。単なる「開発会社」から、AIを駆使してビジネス価値を統合(インテグレート)する存在へ。会社としての存在意義をアップデートしなければならない時期に来ています。

「火打ち石」で火を起こし続けるリスク

鈴木 正直に言えば、もっともっとハングリーに活用してほしい、という歯痒さはあります。Mattermost(社内チャット)上で動くAIボットを実装したり、エラーログを投げれば即座に解決策を提示する仕組みを作ったりしていますが、利用しているのはまだ一部のメンバーに留まっている印象です。現状では私や江口さんが課題を立てて動くことが多いですが、本来は現場から「こんなボットが欲しい」「この作業をAIで自動化したい」という声がボトムアップで上がってきてほしいんです。

福嶋 厳しい言い方をすれば、AIを活用しないエンジニアは「ライターがあるのに、あえて火打ち石で火を起こし続けている」ように見えてしまいます。火を起こすという目的は同じでも、そこにかける時間と労力の差は歴然です。AIを使いこなせるかどうかは、今後「スキルの差」ではなく、エンジニアとしての「基本動作」になるでしょう。江口さんたちが整えてくれた環境は、いわば「最新のライター」が揃った道場です。ここでどれだけ稽古をして、AIという相棒を使いこなせるようになるか。そこにはプロとしてのプライドを持って向き合ってほしい。

江口 若手のメンバーには、失敗を恐れずに飛び込んできてほしいですね。やっていいかどうかの確認を求める前に、まずは叩いてみる。ALJには「とりあえずやってみる」ことを許容する文化があります。社内のゲーミングPCをAIサーバーに転用したのだって、ある種の遊び心から始まった挑戦ですから。その熱量を、全社員に伝播させていきたい。

新たな主役「FDE」への進化

福嶋 これからエンジニアは、単なる「開発者(Developer)」から、「FDE(Front-End Development Engineering)」へと進化していくべきだと考えています。これは単なる言葉の言い換えではありません。

福嶋 従来のエンジニアリングにおいて、ロジックの実装やコードの記述といったバックエンド的な作業は、今後AIが最も得意とする領域になります。対して、人間が注力すべきは「フロントエンド」、つまり「顧客との接点」であり「課題の定義」です。お客様が何を求めているのか、その課題をどうデザインすればAIを最大限に活用できるのか。システムの中身を作る技術を土台にしながら、そのシステムが提供する「体験」や「ビジネス価値」をエンジニアリングする。それがFDEの目指す姿です。
現場で日々お客様と対峙し、最も近い場所にいるICTソリューション事業本部のメンバーのような形が「FDE」としての立ち位置に最も近い場所にいるのかもしれないですね。お客様の悩み、現場の不便さを肌で感じている人こそが、AIに適切な「問い」を立てられるはずですから。

江口  役割が広がる、ということですよね。ただコードを書くだけの人から、ビジネスを設計する人へ。

福嶋 その通りです。そしてFDEとして価値を発揮していく上で、技術以上に求められるのが、皮肉なことに「コミュニケーション力」なんです。AIが設計の一部を担うようになればなるほど、「何を作るべきか」「何が本当の課題なのか」を引き出す力は、人間にしかできない聖域になります。

江口 お客様自身も、課題を明確に言語化できているとは限らない。そこを対話の中で解きほぐし、背景や目的を理解した上で「それならAIを使ってこう解決しましょう」と提案する。単に言われたものを作る「作業者」ではなく、共に未来を創る「パートナー」としての力が求められます。

鈴木 AIにどんなプロンプトを投げるか、つまり「何を聞くべきか」を決めるのは人間ですからね。お客様との対話を通じて、真の課題を見つける感性を磨くことが、AI時代において最も信頼されるエンジニアの条件になると思います。

挑戦を支える、新しい評価と文化

福嶋 ALJはこれから本気で「AIシフト」を加速させます。そのため、今後は新しい評価基準も導入していく予定です。AIをどれだけ使いこなし、どれだけの生産性を上げたか。あるいはAIを活用して、どれだけ付加価値の高い提案ができたか。そこを正当に評価する仕組みを作ります。これはエンジニアに限った話ではありません。人事も営業も、全社員がAIを共通言語として持ち、全体的な知識を備える必要があります。

江口  「自分は詳しくないから」と壁を作らず、まずは参加してほしい。私たちは、皆さんの挑戦を全力で応援します。

鈴木 現場から「これを使ってこんな改善ができた」という実績が次々に出てくる組織になれば、ALJは間違いなく世界で勝てる組織になります。

福嶋 変革の時は今です。共に「FDE」として進化し、新しいALJの10年を創り上げましょう。

江口・鈴木: 一緒にやりましょう!