2021.06.01

【対談】キーパーソンへ 次世代リーダーの格式

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ALJの主力事業部をマネジメントするICT事業本部 本部長の罍さんと、本業の海外事業統括の傍、日本人、外国人を束ねた本社開発チームで育成マネジメントを行っている濵口さんにお話を伺いました。

ALJ Myanmar CEO 兼
株式会社エーエルジェイ 海外事業統括 担当部長
濵口 健次 Hamaguchi Kenji

【略歴】福岡県出身。2012年、ALJにキャリア採用で技術者として入社。能力が認められ 経営戦略室社長補佐に就任。2014年留学 情報ポータルサイト構築の為、ロサンゼルスにブリッジSEとして赴任。翌年帰国し、複数の事業部を掛け持つグループリーダーに就任。社員のキャリアパス形成に関わる。
2016年、自らミャンマー出向を志願し、ALJ Myanmar co.,ltd.の技術責任者就任、翌年にはバイスマネージャーとして経営戦略を含む総合ディレクションを歴任し、2020年7月CEOに就任。2021年より、ALJ Myanmar co.,ltd.事業運営の傍ら、日本側のシステム開発部門と海外事業部門との連携強化を確固なものとし更なる事業成長を実現させていく為、本社開発チームの教育・マネジメントと両立させながら難しい課題に挑戦中である。また、ミャンマーに続くインドネシア、ベトナム等、次の東南アジア拠点設立に向けて、関係各社とコンタクトを取る経営サイドの動きにも今後注目である。

株式会社エーエルジェイ
ICT事業本部 本部長
罍 明雄 Motai Akio

【略歴】東京都出身。2011年4月、ITソリューション事業本部(現営業本部)に営業職として新卒入社。まだ創業間もないALJ黎明期から営業畑の第一線に立ち様々な経験を積む。2014年7月、リーダー就任。2016年7月、アカウントリーダーに就任し着実にキャリアアップを進め、新人教育まで含めたエーエルジェイ営業部門の若きリーダーとして幅広く活躍。2017年10月には、経営戦略室「次世代社員教育プログラム:ALJ 2.0」のメンバーとして抜擢。これまでの営業経験を活かし、後のALJ統一基礎研修プログラム(ASEP)の基となる全社的な教育制度の企画・立案に深く関わる。2018年7月、営業本部 兼 IT事業本部課長に就任。2020年7月より営業部門と技術部門を掛け持ち、ICT事業本部 副本部長に昇進。2021年、ICT事業本部を統括する本部長に就任し、ALJ主力事業であるICT事業本部の全体マネジメントを指揮する立場となり、次世代ビジネスモデル構築に向けて果敢に奮闘中である。

「意欲を持ったリーダーが“育ち、活躍する組織”へ
変革していきたい」

-この一年の変化や行った施策について教えてください。
 前年度では、グループ単位で専門性を持たせるため、ALJの全プロジェクトにおいて業種ごとに組織再編を行いました。以前は、多様なプロジェクトをこなしていかなければならず、1つの案件に集中し技術を深められる環境ではありませんでしたが、現在のICT事業本部はそれぞれ専門分野を持ち、1つのジャンルのプロとして社員が技術を高められるような体制に変わりました。
働く環境の変化としては、社内外共に昨年春から一気にテレワーク化が進み、テレワークを前提にマネジメントを行うプロジェクトも増えてきました。
濵口 私の専門は海外事業ですが、昨年から、ICT事業本部 第一開発Grpの育成をお手伝いをしています。経験年数が浅い若手で構成されたチームの基盤を作り、次世代を担うリーダーを育成していくことに注力しています。

-リーダー育成における重要なポイントとは何ですか?
濵口 育成には時間がかかるということを自身が理解することだと思います。一回教えて、それで完全に任せられるわけではありません。今のチーム編成で1年が経ち、リーダーとしてまだ経験の浅いメンバーにお客様対応を任せるようになってきました。お客様がどこまで理解しているのか考え、伝わるように話さなければならないのですが、ついつい手を出したくなることもあります。少しずつ前進しているかなというところで、長い目で見てリーダーを育てていかなければなと思います。
-リーダー育成の環境について教えてください。
 今期、多くの新規リーダーが就任しました。今後彼らが一人前になるために、既存の「リーダーの基準」の解釈をもっと広げて、言語化していきたいです。例えば数値にできない要素だったり、目に見えない部分の資質やスキルが可視化できれば、現任者や、目指す人へのひとつの指標になるんじゃないかと思っています。より実践に落とし込んだ現場目線からの基準を加えていきたいです。
また、リーダーを目指したい!と考える人が増えるような、上昇志向の組織を目指したいと考えています。昨今の世情では、役職者は苦労ばっかりで負担が大きいなど、ネガティブなイメージを持たれているように感じますが、本来役職者は、権限を持ち、自身の意見が組織に反映され、やりたいことが実現できる、楽しくて自由な立場だと思います。そんな役職者のイメージをみんなに持ってもらえるように変えていきたいと考えています。
濵口 「リーダー育成」について思うのは、自社だけではなく、日々接するお客様やビジネスパートナーの方等、社外の色々なタイプのリーダーと接点を作り見て学ぶことも大切だと思います。
 そうですね。それでも社外だとなかなかリーダーと近いところで働けないという場合もあるので、社内の体制下で育成する場は必要だと思っています。以前は開発環境が準備された場所に単独で参画することもあり、ゼロからの工程を知らないということもありましたが、今はALJの社員が集まった一つのチームとして動けるようになった事で、歯車としてではなく、同じ会社の先輩がリーダーで後輩をチームの一員として教育できるという環境を作れるようになったと思います。

-日本人、外国人の混合チームの実情について教えてください
濵口 日本人、外国人共に壁を感じることもなく、日本人だけのチームとの差は感じません。第一開発GrpはALJで一番大きなグループで、立ち上げ時から日本人外国人の混合チームです。経験にも大きな差が無かったせいか、お互いが協力し合って大きな仕事を進めている印象です。
 社外のチームで言えば、慢性的な人材不足により以前より緩和してきたとはいえ、未だ外国人がSESで案件に入るのはなかなかの狭き門です。理由としては、過去に外国人が仕事を投げ出し帰国したというトラウマや、価値観の違いを理解し意識的に歩み寄ることがうまくいかず疲れてしまった等の経験から抵抗感を持つお客様もいます。ALJでは、ビジョンを共有できる高度人材(注1)を採用しており、意欲のある外国籍社員が多いと思います。お客様先にはALJの上司がいるチームに配属することが多いので、コミュニケーションの問題は少ないのですが、人材不足解決のためにも、日本全体のグローバリゼーションを進化させていくためにも、ALJがこのトラウマを払拭するような問題解決に貢献していければと思っています。

-若手社員に期待することは?
濵口 物事を広い視野で考えられるようになってほしいです。挑戦する前から「難しい」とか、「時間がかかる」と言って避けるのではなく、挑戦してみて、どうしたら上手くいくのか方法を考え、経験を積むことで、1つの方法に囚われず、柔軟に考えられる人になっていくと思います。そしてチームでその情報をシェアし、自分たちで新しい取り組みができるようになっていってほしいです。
 少しでも良いと思えることがあれば思いつく限り試してほしいですね。それを実行するために仲間を作り、様々な人を巻き込み、実現してほしい。あとは、どんな仕事をする時でもお客様のためにできる心遣いを加えて、できる事を増やし、影響力を広げていってほしいです。

-今後の展望は?
濵口 現在の第一開発Grpのエンジニアが成長したら、このチームをベースに新規開拓を考えています。今後さらに、社内で一括案件を受けられるような仕組みを作るため、プロジェクト管理の流れや、テレワーク・時短・フレックスなど、どんな働き方でも案件に円滑に参画できるようツール選定や基準作りを行っています。
お客様と良い関係を続けていくため、現在の社会情勢が落ち着いたら、個別に相談できる場や食事会など、お互いが気兼ねなく話せる機会を作り、意思疎通がスムーズになるような関係を構築することも大切だと思っています。もちろんチームでも飲みに行きたいですね。業務中にいろんな話はしにくいので、業務外でお互いを知れる場は仕事を滞りなく進める上で必要だと思いますし、楽しく仕事をするためにも必要なことだと思います。
 私は、社内外に認められる「ALJの強み」を磨き、誇りを持って仕事に取り組んで貰えるよう変革していきたいです。そのためにまずは、キャリアにおける基準をつくり、それに向かって皆が結果を出せる仕組みづくりをしたいです。
現在、社外でもALJの社員でチームを構成できるようになり、お客様にこちらの希望を理解して頂けるような体制が整ってきました。それにより、今まで分散していた力を集約し、戦略的にチームを構築することが可能になりました。今後は楽しんで仕事に取り組めるような、意欲を持ったリーダーやマネージャーが育つ環境を整えることができると思います。
濵口 あとは、みんなにもっと仕事を楽しんでほしいなと思います。新しい仕事が入ってきた時に、大変そうだなと思うんじゃなく、ワクワクしながら聞いてほしい。人生の長い時間を仕事に費やすのだし、楽しんで取り組むべきだと思います。楽しい!と思うためにも「仕事」って言葉に重たいイメージを持たれているんじゃないかなって思うので、新しい言葉に変えたら楽しくできるのかなってたまに考えたりするんですよ。
 そうですね。「ライブ!」なんてどうですか?(笑)楽しくなるようなイメージの新しい呼び名、欲しいですね〜。
-仕事の新しい呼び名募集しています!

(注1) 高度人材とは、専門的な知識や技術力を有し、法務省が定める基準を満たした外国籍人材。